院長本多麻里子
近畿大学医学部医学科卒業。兵庫医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科に入局。同大学病院を経て、宝塚市立病院、川西市立川西総合医療センターに勤務。耳鼻咽喉科一般外来、睡眠時無呼吸外来などを行い、鼻・副鼻腔手術、耳手術、咽頭・頸部手術などを多数経験する。2023年、松田耳鼻咽喉科医院・院長を継承。日本耳鼻咽喉科学会耳鼻咽喉科専門医。
スギ花粉症、ダニアレルギーに対し
舌下免疫療法を行っています
スギ花粉をアレルゲン（アレルギーを引き起こす物質）とする、スギ花粉症。ダニの死骸やフンに含まれるアレルゲンを吸い込むことで起こる、ダニアレルギー。どちらも日本人にとても多いアレルギー疾患で、悩んでいる方が大勢いらっしゃいます。
当院ではこれらの疾患に対し、治療薬を舌下に投与する「舌下免疫療法」を積極的に取り入れています。舌下免疫療法は比較的新しい治療法で、体質の根本的な改善を図り、さまざまな症状を抑えていくものです。ラムネの様な少し甘い錠剤を舌の下に置くだけなので、5歳以上のお子さまにも安心して投与できます。
診察ではまず患者さまの症状や生活環境をお聞きし、アレルギーの検査を行い、舌下免疫療法の適応を慎重に判断します。小さなお子さまは初めての治療に不安や抵抗を感じることもありますが、私自身、子育て中なので、お子さんお母さんの気持ちに寄り添ったやさしい診察を心がけています。また舌下免疫療法は3年以上の治療が必要です。患者さまが根気よく続けられるよう、丁寧なコミュニケーションを大切にサポートしてまいります。
舌下免疫療法とは？
アレルゲンが配合された錠剤を1日1回、舌の下に1分間含んでから飲み込むことで、少しずつ免疫をつくっていく治療法です。
期待できる効果は？
毎日少しずつ体をアレルゲンに慣れさせることにより、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの症状の改善が期待できます。
始める時期は？
スギ花粉症に対しては、スギ花粉の飛散の時期を避けて治療を開始。ダニアレルギーに対しては、一年中いつでも開始できます。
治療期間はどのくらい？
少しずつアレルゲンに体を慣らすことから始め、3年以上継続して毎日服用します。定期的に受診し、効果や体調をチェックします。
何歳から治療できる？
5歳以上から治療可能です。院長自身、母親なので、小さなお子さまの診察も安心してお任せいただけます。
主な副作用は？
口の中の浮腫、腫れ、かゆみ、唇の腫れ、喉の刺激感、耳のかゆみなどが報告されています。重篤な副作用の心配は少ないでしょう。
STEP１：初診
まず患者さまのアレルギー症状や生活環境を詳しくお聞きします。そして、合併症や服用中の薬などを確認した上で、血液検査（アレルギー検査）を行い、スギ花粉やダニアレルギーの有無を調べ、原因を確定します。舌下免疫療法が適応できる場合は、治療法についてメリットや副作用などをわかりやすく説明し、患者さまご自身の治療への意思を確認します。治療費は保険適用です。
STEP２：クリニックでの初回服薬
初回の服薬は、クリニックで行います。院内でスタッフの立ち会いのもと、薬を舌の下に置き1分間保持してから、飲み込みます。飲み込んだ後、5分間はうがい・飲食を控えていただきます。その後、30分間、院内で安静にしていただき、副作用がでないかどうか確認します。問題がなければ、診察は終了。そのままお帰りいただきます。
STEP３：自宅での服薬
初回投与で問題がなければ、2回目からは自宅で服薬していただきます。毎日1回、初回服薬と同じように、舌の下に薬を1分間保持してから、飲み込みます。お飲みいただく時間帯に決まりはありませんが、副作用が起きた場合の対処に備え、午前中の服用をおすすめします。なお、服薬時の前後2時間程度は、激しい運動やアルコールの摂取、入浴などは避けてください。
STEP４：定期的な通院
舌下免疫療法は定期的な通院が必要です。最初の2週間は、週に1回程度通院していただき、病状の変化や効果、副作用の有無などを確認し、薬の量を調整していきます。その後は副作用などが安定していれば、月に1回程度通院していただき、様子をみていきます。舌下免疫療法は長期にわたり正しく治療を行うことで、アレルギー症状を抑える効果が期待できます。最低でも3年以上の継続した通院をお願いします。
松田耳鼻咽喉科医院
JR神戸線(大阪～神戸) 甲南山手駅
JR神戸線(大阪～神戸) 芦屋駅
阪神本線 深江駅
